「これ、アリなのか? ナシなのか?」
着替えの一瞬で始まる、心の長旅。Tシャツ裏表問題をめぐる、ささやかな自己肯定の物語。
目次
作詞・作曲紹介
- 作詞:ツジリコ(意味深学部・服飾意識研究会)
毎朝の「着たけどなんか違う」感覚を言語化する達人。タグの存在を“心の向き”のメタファーとして昇華した渾身の一作。 - 作曲:ヘンリミミ教授(日常違和感音響研究所)
着替えのときの布のすれる音、洗濯タグの触感からインスピレーションを受け、リズムに“袖通し感”を持たせたと語る。
制作レポート
- 発端
とある研究合宿でTシャツを裏返しに着たまま講義を終えた教授が「誰にも気づかれなかったことに深く傷ついた」ことが創作の契機に。 - 検証テーマ
- Tシャツ裏表着用時の気づかれ率(初対面 vs 友人)
- 「気づいたが直さない派」と「すぐ脱いで直す派」の心理的傾向分析
- 洗濯タグの位置と自己意識の関連性
- 制作中の事件
- 教授、誤って「タグを表に縫い直す」という逆転発想研究に乗り出し、Tシャツ8枚を無駄にする。
振り付け紹介《ウラオモモーション》
- Aメロ:胸元を押さえて“タグの違和感”を表現
- サビ:「Tウラオモい〜」で腕をクロスしながら体を反転させるような動き(実際にTシャツを脱ぐわけではない)
- ブリッジ:タグを見せてカメラ目線+なぜかウィンク
- ラスト:正面を見てにっこり微笑み、軽く両手で肩をパンッと叩く「着直した感」ポーズ
※振付中に“本当に着直してしまう事故”が稀に起きるため、着脱不可型衣装の使用が推奨されています。
リスナーの声(※非公式アンケート)
- 「“心のタグはどっちを向いてる?”ってフレーズ、刺さりました…裏でもいいじゃんて思えました」(20代・着間違い常習者)
- 「この曲聴いてから、ちょっと間違えても笑えるようになった。まじで神曲」(30代・服の表裏を見抜くのが苦手な人)
- 「保育園の息子が“今日ウラオモいかも〜”って言ってて爆笑した。流行語確定では?」(40代・母)
うそこ大学との共同研究紹介
意味深学部 × 『衣服の表裏認識とアイデンティティ揺らぎの関係』
- 研究タイトル:
「タグが内側にあることの“正しさ”とは何か」 - 結論:
人は“裏表”という言葉に過剰に反応する傾向があり、
「裏返し=ミス」という固定観念が自己肯定感に微妙な影響を与えている。
超家政学部 × 『タグレスTシャツの心理的安全性比較』
- 実験内容:
タグがないTシャツを30名に着せて一日過ごしてもらう。 - 結果:
「タグの存在がないことにより“裏返し恐怖症”が軽減された」との報告多数。
一方で「自分が何者か分からなくなった」という声もあり、タグは意外にアイデンティティに深く関係している可能性も浮上。
街角統計学部 × 『着用ミス自己申告率調査2025』
状況 | 裏表ミス率(%) | 修正せず過ごした率 |
---|---|---|
自宅のみで着用 | 18.2% | 92.7% |
外出直前に気づく | 11.6% | 41.3% |
外出後に気づく | 6.9% | 65.2% |
「そのままでも誰も気にしない」という社会的寛容さと、「自分だけは気になる」という内面のジレンマが交錯していることが明らかに。
Tシャツ一枚、されど“ウラオモい”。
それは、着方の問題ではなく、向き合い方の話なのかもしれません――。