惑星基本情報
- 惑星名:キンギン星(正式名:K1-G2)
- 位置:ひょどろん君航路 ZB-7宙域
- 公転方式:金色太陽(アウルス)と銀色太陽(シルファ)を軸とする双星系
- 自転周期:約48時間(昼夜が非常に長い)
- 重力:地球の0.9倍
- 大気成分:酸素多め・わずかに銀色粒子が含まれる(健康には影響なし)
特徴:二つの太陽による交互照射現象
金色太陽(アウルス)の時間帯
→ 温暖で光が黄金色に輝き、すべての景色が淡いオレンジ~金色に染まる。
→ 気温上昇(平均+10℃)、大地はやわらかくなり、植物はぐんぐん成長する。
銀色太陽(シルファ)の時間帯
→ 氷のような銀光が世界を包み、景色全体が冷ややかな青銀に。
→ 気温低下(平均-15℃)、大地が一時的に硬直。動植物は活動を控える。
両者の切り替わりは劇的ではなく、約6時間かけて金銀の光がグラデーションしていく。
自然環境
金銀の森(フォレスト・オブ・オーラ)
→ 金の太陽のもとでは葉が黄金色に輝き、銀の太陽のもとでは葉脈だけが銀色に浮かび上がる樹木群。
ルミナ砂漠
→ 日中は金色の砂がキラキラと光り、夜間は砂粒が銀色に冷え輝く不思議な砂漠地帯。
ミラージュ湖
→ 2つの太陽の反射によって、昼も夜も湖面に幻のような模様が現れる。
サーモクラウド現象
→ 2つの太陽の切り替わり時、上空に金銀入り混じった雲が発生。まるで空に巨大な絵画が描かれる。
人々の暮らし
昼と夜の概念が「金期」と「銀期」で分かれている
→ 金期(アウルス期)には農作業・建築・活動全般
→ 銀期(シルファ期)には休息・学習・室内作業中心
建築物
→ 壁材に「光調整石」という鉱石を使い、金期は涼しく、銀期は暖かく保つ技術が発達。
→ 窓は二重構造、外光を金銀別々に取り込める仕組み。
衣服
→ 表裏リバーシブル!
金期用(通気性・反射性)と銀期用(保温性・遮熱性)で素材が異なる特製服が一般的。
文化・祭り
→ 「光交わり祭(ルクスフェスタ)」:
太陽の切り替わり時に行われる、金銀の紙吹雪とランプで祝う大祭。
動植物
→ 動物は金期に活発、銀期には一斉に眠る「金銀リズム種」が多数存在。
メモ:ひょどろん君航行記録より
「キンギン星に降り立った瞬間、景色全体がきらきら脈打つように変わっていた。
まるで世界そのものが、昼と夜ではなく”色”で生きているみたいだった。」
- ひょどろん航行日誌・第72章より
惑星ヒットソング情報
惑星に古くから伝わる昔話
『きんぎんの小川』
むかしむかし、キンギン星のはずれに、
細くてちいさな小川が流れていました。
その小川はちょっとふしぎでした。
金期になると、川の水がとろりと金色にかがやき、
銀期になると、さらさらと銀色にひかるのです。
村の人たちはこう言っていました。
「この川には金銀の魔法がかかっているんだよ」
でも、ほんとうのわけは、だれもしりませんでした。
ある日、ひとりの子どもがやってきました。
名前はリフといいます。
リフは、小川にそっと声をかけました。
「どうして君は、光をかえるの?」
もちろん、小川はこたえません。
だけど、その日、リフはふしぎなものを見つけました。
川べりに、ちいさな、きんいろの葉っぱと
ぎんいろの葉っぱが、ふたつ並んで落ちていたのです。
リフはその葉っぱを拾いあげて、ポケットに入れました。
その晩、リフは夢を見ました。
金色と銀色の葉っぱたちが、空でくるくるまわりながら歌いました。
「わたしたちは ふたつのひかり
そっとまぜて ながれてる」
リフは夢の中でたずねました。
「どうしてまぜるの?」
葉っぱたちは、くるりとまわりながらこたえました。
「ひとつだけじゃ さびしいから
ふたつまざって うつくしい」
次の朝、リフはポケットをさぐりました。
……そこには、もう葉っぱはありませんでした。
だけど、小川は、きらきらと笑うように流れていました。
金色と銀色が、やさしくまざりあいながら。
リフはにっこり笑って、そっとつぶやきました。
「そうか。ひとつだけじゃ、きっとたりないんだね」
そして、きんぎんの小川のほとりを、
歌うように走りだしました。