モン生相談:満月になると職場で暴れてしまう人狼

モンスターにも、悩みがある。

満月に吠えることしかできない人狼。
棺桶にこもって世界と距離をとる吸血鬼。
目が合っただけで友達を石にしてしまうメデューサ。

かつて伝説と呼ばれた存在たちも、
現代社会の波に揉まれ、
日常の中でふと立ち止まる瞬間があります。

「これって、自分だけ?」

そんな悩みを、うそこ大学の専門家たちが本気でお応えするのが、
この【モン生相談】です。

人間でも、そうでなくても。
誰にでも、相談していい場所があっていいじゃないですか。

目次

今回のご相談

満月になると職場で暴れてしまうのをどう抑えたらいい?(人狼)

専門家からの回答

ご相談ありがとうございます。
うそこ大学「月相行動学部」特任教授の月影 狼太郎(つきかげ・ろうたろう)です。

満月時における行動衝動は、古来よりルナミルト・ソワソワル現象として知られ、特に人狼種においては“社会的不適応”の一因となりやすいものです。

まず前提として、月の引力そのものが直接的に血中リカント因子(いわゆる人狼細胞)を活性化させることは科学的に証明されておりません。
ではなぜ満月時に暴れるのか?
その原因は、「群れからの視線への過剰反応」と考えられています。

満月=他者の視線=狩りのプレッシャー。
これが、太古から群れの中で生きてきた人狼たちの本能を刺激してしまうのです。

対処法は主に3つあります。

① 月光暴露トレーニング
満月の夜にあえて短時間だけ月光を浴び、徐々に慣らしていく方法です。
俗にいう“ルナリハビリ”ですね。
最初は5分、次第に時間を延ばすことで、衝動的行動の閾値を上げることが期待できます。

② 職場での“群れの認識”の再定義
暴れるのは「群れ」に反応しているから。
そこで、職場を“群れ”ではなく“ビジネスパートナー”と認識する認知訓練を行うことで、暴走トリガーを減らせるケースがあります。

③ 満月専用タスクの導入
満月時には、通常業務ではなく“パワー系業務”にあえてシフトするのも手です。
例えば倉庫整理、資料のシュレッダー作業、大型プリンターの紙詰まり解除など、
本能を生かした役割分担を提案してみましょう。

なお、これらはあくまで行動学的アプローチであり、
内面的な葛藤については当学部附属の月相カウンセリングルームもご活用いただければと思います。

最後に、私もかつて満月で上司を半分食べかけた経験がございます。
大丈夫。共に、乗り越えていきましょう。

キーワード解説

ルナミルト・ソワソワル現象

満月を目にした際、特定種族が突発的に衝動行動を起こす現象。
主に人狼・変身種・一部妖怪に見られ、月光そのものではなく「群れの視線」による心理的誘発が原因とされる。
うそこ大学月相行動学部の月影教授によると、現代社会ではSNS投稿の“バズ”と類似した群集心理の一種と考えられている。

血中リカント因子

人狼体質者の血液内に含まれるとされる特殊遺伝因子。
「リカント」は古語で“狼”を意味し、身体能力・変身特性・衝動行動に関与すると考えられている。
科学的には未確認ながら、月相行動学部では血液型以上に個体差が大きく、ストレス耐性や満月反応に影響すると提唱されている。

月相カウンセリングルーム

月相行動学部付属の支援施設。
夜間営業・オンライン対応可。

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