漫画タイトル
『夜影のステップ』(やえいのステップ)
あらすじ
深夜のビル街を、誰にも見られず「踊る」謎のダンサーがいるという噂がある――。
傷を抱えた少年・東雲(しののめ)ライは、夜の路地でふとしたきっかけから、廃ビルの屋上で踊る青年・ミズキと出会う。
人には言えない過去を持つ者たちが、「ダンス」という名の懺悔で夜を駆け抜ける青春ストーリー。
登場キャラクター
東雲ライ(しののめ・らい)
16歳。人との関わりを避けていた高校生。かつて仲の良かった弟を事故で失った過去を持ち、自分を責めている。ミズキとの出会いで心に変化が生まれる。
ミズキ
22歳。夜の屋上でひとり踊る謎の青年。かつてプロダンサーの道を諦め、現在は配送業で働きながら夜だけ踊っている。「踊りは懺悔」と語る。
笹山ジュン
ライの同級生。お調子者に見えるが、ライのことを本気で心配している数少ない友人。
古賀ソラ
ミズキがかつて所属していたダンスチームのリーダー。ミズキにとって“置いてきた過去”の象徴。
該当チョメゴマ

「あれは月じゃねぇ、オレの後悔だよ!」
シーン概要:
第5話終盤。ライが初めてミズキのダンスを目撃する夜。
屋上で月を背にして踊るミズキの姿に、思わず「きれいだな……月、すごいでかい」と呟くライに対し、ミズキは一度動きを止め、苦笑いしてこう言う。
ミズキ:「あれは月じゃねぇ、オレの後悔だよ!」
そして再び踊り出す。夜風が吹く中、ライの胸には、何かが静かに灯る──。
その前後の流れ
■直前:
ライは自宅で弟の遺影を見ていた。「なんであの時、俺……」というセリフと共に、外に出て気を紛らわそうとする。そのまま夜の街を歩き、廃ビルの屋上から音楽が聞こえてくる。
■直後:
その言葉を聞いたライは、なぜか涙が止まらず、「俺……踊れたら、何か変わるかな」とポツリ。ミズキは振り返り、静かに言う。「やってみなよ。夜は、過去を脱ぐためにある」
このコマが刺さる理由
- 月=綺麗なものの象徴と思いきや、それが「後悔」として語られるギャップ
- 青春の痛み、自己投影がしやすいセリフ構造
- セリフの中に“過去・自責・再生”というテーマが凝縮されている