著書紹介
『二度見の科学』
~視線が戻る、その瞬間の心理学~
著・折戸 省吾
うそこ大学 なんでも心理学部 教授/凝視行動学科
USBN 9-8659-042-NDM
うそこ出版
定価 1,480円+税
帯コピーより
「なぜ、いま一度だけ、見るのか。」
人は“二度見”において最も誠実になる――視線再評価学の決定版。
最初の一瞥は安全確認、二度目の視線は世界への訂正願い。

目次
序章:二度見前後の0.7秒仮説
第1章 無意識のブレーキと再注視ループ
第2章 二度見トリガー一覧(音・匂い・既視感)
第3章 視線と体裁:見たふり・見ないふり・見切れ
第4章 まなざし倫理学:失礼と礼儀の境界線
第5章 広告と貼り紙:語尾が視線を連れ戻す
終章 二度見の作法――もう一度だけ丁寧に
内容紹介
横断歩道で、駅構内で、商店街の張り紙の前で――私たちは日に何度も“二度見”をしている。本書は、その小さなUターンを「再注視ループ」と名づけ、脳内の体裁保全アルゴリズムとの相互作用を明らかにする、凝視行動学の入門書である。
著者・折戸は、二度見が生じる環境要因を〈音響・文字・運動・匂い〉に分類。とりわけ張り紙の「語尾」や、駅アナウンスの「再接続語」が視線の帰還率を高めることを、実地観察(※想像図付き)で示す。また「見たふり/見ないふり/見切れ」の三態を礼儀の観点で比較し、社会的な“失礼ライン”を測量する。
読了後、あなたの視線は少しだけ丁寧になるだろう。二度見は、世界に対するささやかな訂正申請であり、恥ずかしさと優しさが同居する行為なのだから。
著者コメント
「研究のために二度見しているのではありません。二度見のために研究しています。」
駅のホームで何度も同じポスターを見直す自分を、ようやく肯定できました。読者諸氏にも、上品な二度見を。
読者レビュー
★★★★★
表紙を二度見して購入。正しい買い方をした気がする。
★★★★☆
張り紙の語尾を意識したら、通勤時間が5分伸びた。幸福度は伸びた。
★★★★★
「見切れ」の章で笑って、「作法」でなぜか泣いた。
★★★★☆
目次を二度見したら、すでに身につき始めていた。
★★★★★
視線のUターンに、こんなに理屈があったとは。
関連書籍
- 『言い訳の最短距離:口を開く前の30cm』
- 『つい見ちゃう貼り紙学:語尾と余白の統治』
- 『気まずさ管理入門:体裁保全アルゴリズム概論』