第1回:あの日、脳内図が降ってきた。
「午前中に思いついて、夕方には出来てました」
そう笑いながら語るのは、『脳内メーカー』の生みの親・JKチョリソー氏。
2007年に誕生し、ネット文化に“診断の快楽”を刻んだ伝説のコンテンツは、
思いのほか、シンプルで勢い任せな流れで生まれたらしい――。
◾️ 「次は、脳内が見えたら面白いんじゃないか」
JKチョリソー氏は、脳内メーカーの前から『うそこメーカー』という名前で、
“名前を入れると何かができる”診断コンテンツを次々と制作していた。
- 名前で作られる校則 → 『高校メーカー』
- Tシャツのデザインが出る → 『Tシャツメーカー』
「言ってみれば“ボケ”の延長なんですよね」
「なんか出てきたら面白いじゃん、っていうノリで」
そんな制作の日々の中、ふと思いついたのが、
「頭の中に漢字が並んでる図」というアイデアだった。
◾️ 「それ、1番おもしろそうだったから」
思いついたその日――
午前中にひらめき、夕方には現在の脳内図とほぼ同じものが完成していたという。
「頭の中に文章じゃなくて、漢字を並べようと思ったのは…
うーん、“それが1番おもしろそうだった”としか言いようがないですね(笑)」
しかも、タイトルも『脳内メーカー』で即決。
画像の横顔シルエットも、漢字の配置も、すべて**“最初に作ったまま”**現在まで使われ続けている。
◾️ デザイン? ロジック? 直感です(笑)
デザインや配置について尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「いや、正直あんまり覚えてないんですけど、
自分でも不思議なくらい“迷わなかった”んですよ。
デザインに自信があるわけじゃないし、直感で組み立てていっただけです」
脳内図に現れる漢字の配色も、すべて感覚で決めたという。
漢字 | 色 |
---|---|
金 | 黄色 |
恋 | ピンク |
無 | 白 |
「“金=黄色”って、結果的に誰もが納得する配色になってるけど、別に計算してないです(笑)」
と本人は笑うが、それこそが“脳内メーカーの説得力”に繋がっているようにも思える。
◾️ あれは、人生で一番“神がかってた日”かもしれない
「こうして振り返ると、とにかくすごい勢いで作ったんだなあって思いますね。
あれはもう、自分の人生でいちばん“神がかってた日”だったかもしれません(笑)」
偶然とノリと直感で生まれた脳内図は、
やがて数千万人にシェアされ、文化となり、
うそこ大学にまで研究される存在へと育っていくことになる。
その“何気ない午後”からすべてが始まった――。
🔗 次回予告:
「脳内メーカーがバズった日、サーバーは泣いていた」
→ バズ拡散、サーバーダウン、身内の反応…あの時何が起きていたのか