未来人のSNS利用傾向と“過去人”との意思疎通の困難性

目次

研究タイトル(正式)

「3110年型SNS使用者における表現様式と感情伝達構造の変遷
―過去人との言語・感覚ギャップが引き起こすコミュニケーション障害の予備的考察―」


研究背景

未来人と過去人(=現代人)の間には、技術的・文化的な時差が存在する。
中でも深刻とされるのが「SNS上での意思疎通の困難性」。
「文字を打っても伝わらない」「“いいね”の意味が違う」などのギャップが日常的に起きている。

未来人心理学科では、3110年から来た(と主張する)被験者「時田ミレイ准教授」の協力のもと、
未来型SNSの構造と表現傾向を分析し、**“なぜ過去人には伝わらないのか”**を検証した。


未来型SNS「SYNZ(シンズ)」の特徴

項目内容
文字数制限無限。ただし“思念”単位で整理されるため、改行概念がない
投稿形式文字・音声・温度・湿度・匂い・脈拍をセットで送信可能
共感ボタンいいね・笑った・染みた・ぞわった・飲み込めぬ・過去的… など40種類
通知音相手の体調に合わせて自動選曲されるBGM(例:落ち込んでると「虹」的な曲が流れる)
コメント文化言語よりも**“無言時間の長さ”**で感情を示す風習あり(例:3分無言=本気の共感)

主な研究調査結果

📊 「投稿の受け取られ方」におけるズレ

投稿例未来人意図現代人の誤解
(心拍データ+「……」)深い悲しみの共有なんかバグった?
匂い投稿(焼きたてパン)+37.2℃の温度「今日は満たされてます」風邪ひいた?
無言+11分間通知光だけ点滅精神的な“返事”のつもりえ?何かの警告?

未来人の証言(ミレイ准教授)

「この時代の“いいね”は軽すぎる。私たちは“咀嚼のうえでの内なる拍手”を求めている」
「あと、どうして“ハッシュタグ”が乱用されてるの?未来ではタグは一生に3つまでです」
「GIF文化が残ってるのは懐かしい。私たちは“心象動画像”に進化しました」


考察:なぜ過去人と通じ合えないのか?

  • 現代SNSは情報量が不足している:言葉しか送れない=感情の解像度が低い
  • 未来人は**「察してくれる前提」で表現する**傾向が強く、文字による説明を“野暮”と感じる
  • 「既読スルー」ではなく「無言共鳴」が基本のため、過去人の反応が“せっかち”に映る

学生レポートより(抜粋)

「未来人の投稿、全部ポエムかと思ってスクロールしてたけど、実は深刻なSOSだった」
「通知が“香り”だけだったの初めてで混乱した。でも何か癒された」
「“ぞわった”ボタン、今の時代にも欲しいです」


まとめ

未来人のSNSは、感情の「空気」や「揺れ」を主成分とするコミュニケーションツールであり、
情報として明示される部分はほんの一部。
そのため、過去人がそれを情報的に理解しようとするとズレが起きやすい。


協力学部・サークル

  • なんでもシミュ学部(未来SNS体験装置プロトタイプ開発)
  • 情報感覚学科(非言語インタフェース研究)
  • うそこ大学文体表現サークル『♯言葉以前』

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