記録責任者:時間工学科・第三実験室
目次
概要
「フワミエール」は、触れた物体の数秒後〜数年後の姿を“なんとなく”可視化することを目的に開発された、
未来視誘導型共鳴結晶体です。
見る者の解釈に委ねられる“ぼんやりとしたビジョン”を投影することで、
時間認識の柔軟化、直感判断の拡張、そして意味深な気分を生成することに成功しています。
開発経緯
「未来を映す鏡が欲しい」という教授の詩的なひとことにより着想。
当初は水晶玉を利用した占い的アプローチだったが、
未来人の忘れ物である**「時空粒子が凝固した粉(ミライノコナ)」**を分析した結果、
**“見る側の脳波と共鳴する結晶体”**の試作に成功。
その後、命名コンペにて「フワミエール」が正式採用された。
(命名理由:「なんかふわっと未来が見えるから」)
主な構成要素
名称 | 説明 |
ミライノコナ | 時空に漂う情報粒子を凝縮したとされる粉末。キラキラしている。 |
思念共鳴結晶体(ココロトナリ石) | 脳波とリンクし、個々人に異なるビジョンを投影する結晶 |
フレームドーム(通称:ふわ見窓) | 可視化範囲を安定させる半球状ドーム。 |
未来補正フィルター | 実際の未来と“だいたい合ってそうな未来”を曖昧に調整する装置 |
実験結果と観察例
- 教室の机に触れた学生:「この机、数年後も全然使われてるっぽい…逆にすごい…」
- 教授の眼鏡に触れた学生:「えっ…なんか“割れてる”…ってか教授の髪型も変わってる…」
- 自分のスマホに触れた学生:「なんか…誰とも連絡取ってない感じで怖かったです」
- カップ麺に触れた学生:「湯が入ってて3分後になってた」←これは当たってた
ブレイクスルー
【うっかり発生した“未来のチラ見え”】
結晶体を扱っていた学生が、
うっかりドームを磨いたメガネ拭きを洗っていなかったことにより、
「曇った状態のまま未来が“ぼやけて映る”」という現象が発生。
その結果、
🔹 明瞭ではないが“意味深な雰囲気”が大幅に増加
🔹 精度の低さがむしろ解釈の自由度を生み、学生人気上昇
🔹 「当たるかどうかは大して重要じゃない」という謎の悟りが共有される
この現象は「未来曇視効果(Fuzzy Future Vision)」と命名され、
以後フワミエールの正式仕様として“ちょっとだけくもった状態”が採用された。
注意点
- 精神的に不安定な状態で使うと、めっちゃ暗い未来しか見えない傾向あり
- 「未来が見える」と言いながら、ただの妄想が反映されている可能性もある
- 「未来見たけどよく分からなかった」という報告が**全体の87%**を占める
今後の展望
- 「ふわっと見える未来」をSNSでシェアできるようにするAR実装案進行中
- 他人の持ち物に触れて“その人の未来”を見てしまう仕様について倫理審査中
- 占い学部との共同研究「非科学的科学予知モデル」構築へ