目次
ボロコラ概要
掲載誌:『セルフ陰影マガジン・月刊ブラー』2021年6月号 増刊幻影特集
ページ数:全124ページ中、表紙裏にだけ本文(なぜか白く飛んで読めない)
実物現存数:1冊(光を吸収する特殊な箱にて保管)
✦ 掘り下げレポート:
ボロコラ『映えすぎて光になった友人の話』に関する調査報告
本コラムは、「友人がインスタ映えを極めすぎて光の存在になった」という都市伝説的内容。
実際に内容を読んだという人物は「まぶしすぎて目が潰れたような感覚になった」「読み終えたあと、スマホのカメラが常に白飛びするようになった」などの証言を残している。テキスト内容は現存せず、可視化不能な文字列だったともされる(グリッチ加工によって復元試みるも失敗)。
読者のひとりは「うっすら、彼の名前が “ライトルくん”だった気がする」と供述。コラムの構成としては以下のような流れだったと推測されている:
- 映えスポット巡りに取り憑かれた青年
- フォロワーが増えるごとに彼の輪郭が薄れていく
- 最後の投稿は「うわ、めっちゃ光じゃん」
- 消失。誰も彼をタグ付けできなくなった
なお、編集後記には「本誌編集部員2名が“映え焼け”により休刊を余儀なくされた」と記されていた(という証言のみ存在)。
✦ 再構成されたコラム(可能な限り原文再現):
映えすぎて光になった友人の話
文:逆光ウタカタ
映えたがりの彼は、いつもちょっと逆光だった。
それが映えると知っていたから。
でも、ある日からおかしくなった。
投稿される写真の彼は、白く、薄く、発光していて──
最後のDMは、
「今、ほんとの映えってなんだと思う?」
それ以降、既読がつかなくなった。
その日の夕方、
彼が最後に立っていた橋の上で、
空が一瞬だけ、“めちゃくちゃいい感じの明るさ”になった気がした。
✦表紙掲載情報:
- 雑誌名:月刊ブラー 幻影特集号(2021年6月 増刊)
- 特集タイトル:「かつて存在した“光になった人々”」
- 編集方針:「すべての被写体に光を当てたが、結果、何も見えなくなった」
✦ 今後の研究課題:
- 「映えすぎると不可視になる」という伝承の起源
- SNSフォロワー数と光量の相関関係
- “ライトルくん”に関する記録の発掘(現在、唯一の証拠はカメラロールに残る白い画像)